まだ暗いうちに勝手に目がさめるんです

眠いけど眠れず 身体は起きず

仕方なく歯を磨いてメガネをかけて

コーヒーの豆を挽きます

ガリガリ豆を挽きながら思います

沸かした湯を注いでから

キャベツを切ります

ザクザクと千切りにしながら考えます

どうしてお客さんが来ないのか
自分の価値はなんなのか
そもそも自分に価値はあるのか

出来ることは少なく
玉ねぎの皮を剥くように 薄く頼りない可能性にすがるように手をかけても

無くなっていくだけです

そんなあれこれも ガリガリと ザクザクと
してる間に 端から黒く広がるコゲ様に
だんだんと仕事のことに侵されてきます

今日やらなきゃいけないことや連絡事項
明日、明後日、来週…

気がつくと真っ黒です

そうして日々が過ぎていきます

全て焦げ付いたものが重なったその上に
どうにか立っている

みんなガリガリと無くなってしまえばいいのに

ザクザクと切り刻んでしまえればいいのに

僕ごとみんな無くなってしまえばいいのに